2017年06月

2017年06月19日

我等、恋の三銃士・前編//お父様は心配症

あの世とも黄泉の国とも、極楽浄土とも言う死後の世界。
ここは幻獣界とは逆に、時間の経過が遅く緩やかだ。もう死者は歳を取る事は無い。
この日もこの何処かでは、一人の男の大声が響きわたる。それを見に来た知人の男は….

情けない、何をやっている我が息子ながら情けない!それでもバロン男子か。
しっかりしろカインー!私の声が聞こえるかーーーーー!

叫ぶのはプラチナブロンドを長く伸ばし結いた、眼光鋭く細身の引き締まった体格、
凛々しい顔立ちの男。聞こえるかーと叫ぶのは、男の毎日の日課となっている。

やれやれ、またか。奥方に主人が止めてくれないから、助けてと頼まれたが…
ここの世界でも生きていた頃と変わらず、この人は何をやっているのだ。はあ~っ(溜め息)
よく飽きませんねーあなたがここで吠えても声は届かないのですよ。
もう我々は死んでいる、奥方が大層困っているから止めてください。

見に来たのは、癖毛の茶色い長髪をまとめガッシリ体型な、甘いマスクの男。

ファレルよ、わかっている、わかっているが、なんと私の息子が女子から告白されたのだ!
しかも息子も女子に好意があり、お互いにフォーリンラブなのだ。 父として何とかしてやりたい。
甘いマスクの男は、ファレルいう名前だ。

ぷぷぷっリチャード、あなたの口からフォーリンラブとは…おっと失礼ぷぷっ。何とかしてとは?
ファレルを可笑しくさせ、吹き出させた男はリチャードという名前。

おい笑うな、決まっているではないか。私はあの二人を恋人として、カップリングさせたいのだ!

ええええー!おやおや…リチャードから思ってもない予想外の発言だ。正気ですか?

私は正気だ、そして本気だ。息子カインの行く末が死んでも心配でな。
妻は早くに死に、私も息子が幼い頃に死に、独りになったカインが心配なのだーウウウウウ(涙)

うーん…どうしたものか。この事は頼りになる「あの人」に相談しよう、そうしょう。

リチャードはかつて生前、青き星の大国バロンで竜騎士だった男だ。
彼と話していたファレルも、同じく竜騎士だ。2人は竜騎士団の隊長と副隊長という地位だった。
この2人、先祖代々で竜騎士を輩出してきた名門貴族出身。
リチャードこと、リチャード・ハイウインドはハイウインド家の出。
ファレルこと、フィリップ・ジョシュア・ファレルはファレル家の出。そう、この2人...
リチャードは竜騎士カイン・ハイウインドの父、ファレルは白魔道士ローザ・ファレルの父、
悪の手から青き星を救った英雄の「お父さん」なのだ。

ファレルは「あの人」に会いに、ある場所へ向かっていた。この死後の世界にきて、
偶然か運命か出会い、友人になった「あの人」と自分。解ったのが互いの息子と娘が
思い思われの両思い。共に悪を倒す戦士として幾多の戦いを経て、強い絆で繋がり結ばれたと。
今のリチャードの勢いは、ハイウインドの先祖達でも妻のエリナでも、ファレルでも止められない。
考えながら歩くと「あの人」がいる、大きな両扉の近くに到着した。
7色に輝く泉、数本ある赤と青の実が実る木。この世界の玄関口「ヘブンズドアー」と呼ばれる。

『来たね、いらっしゃいフイリップ』ファレルを名前呼びする、穏やかな男の声が出迎えた。
『こんにちはクルーヤ、あなたにお話しが有り来ました』相手はファレルとは友人らしい。
『ふふ。話とはあの坊や、リチャードの事だろう?』『流石クルーヤ。そうなのです』
『そうかい、じゃ居酒屋・月のウサギにようこそ。ビールに枝豆でもつまみながら話を聞こう』

このクルーヤという男は、月の民にして現バロン王セシルの父である。
リチャードにファレルにクルーヤ。この3人が出会った経緯は後々に語るとして、
人間界でー
ミシディアでは一人の男が、ある女性から「告白」されていた。
『私、カインさんが好きです。その…駄目ですか?あなたの側にいさせてください』
(この展開どうすればいいんだ、どうしょう、心の準備が出来て無い何と答えたら、い…いいんだ!)
心の中で焦る男はバロン国・聖竜騎士カイン。相手の女性は、ミシディアは白魔導士ポロム。
任務で来たカインは緊張した面持ちのポロムから、話があると呼ばれ「告白」されたのだ。
ポロムへの好印象は高いが、告白されて嫌では無い。嬉しいけど女性への対応力が少ない。

『お返事は急ぎません…答を待ってます。カインさんの後ろにいるお2人は、どなたですか?』
『ああ。死んだ俺の父とローザの父だ…ってなあーにいー!』後を振り返ったカイン驚く。
なぜか、死んだはずの父リチャードと…子供の頃に可愛がってもらった、ファレルおじ様。
ファレルはバロン王妃ローザのお父様だ。なぜ俺にゴーストが見える?でもポロムには?
『よかった、俺以外にゴーストが見えるなんて!霊感があるのか?』
『霊感というよりは、ミシディアは魔法を使う魔道士の国。なので魔力でゴーストが見えるのです』


『妻から聞いた事があります。ミシディアの魔道士は死んだ人間が見え、話が聞こえると。
リチャード、あのお嬢さんに我々が見えるとは非常にラッキーですな』
『うむ。見えるとあらば好都合!我が願い、早速お嬢さんに直談判...』
『おやめなさい、いきなり早すぎる』『何をする、早くないわ!私を離さんかー』
カインの後を見える2人のゴーストは、リチャードがファレルに羽交い締めされていた。

『ここはお嬢さんに我々が危害を加えない、恐ろしくないとアピールするんです』
ファレルは生前に数多くの女性を魅了し、失神者が絶えなかったという伝説の微笑み。
「キラースマイル」をポロムに向けて笑う、白い歯がキラリキラリと光る。
ポロムはこのゴースト...自分の知るバロン王妃様の「お父様」がする、優しい魅惑の微笑み
にペコリとお辞儀をする。もう一人のゴースト...聖竜騎士の「お父様」は笑っているのか、
眉間に深い縦皺の鋭い眼光をしてポロムを見ていた。
『父様…止めてください』『お嬢さん、この人は怒ってるので無く笑っているんだよ。君みたいな素敵な女性に会えて、嬉しいんだってね』リチャードはファレルを睨むも、ファレルはスルーする。
『はじめまして』ポロムからリチャードにもお辞儀する。カイン口をポカ~ン。

そこに悲鳴声がする。一匹のズーが白魔導士を狙い、鋭い爪を向け襲いかかる。
『ムムッ、女性の悲鳴!カイン、ファレル、行くぞ!』『助けに行くって、あの…』
『私達がゴーストだからと言って、問題無し!借りますよ』『うむ、ネコよ借りるぞ』
ファレルは飼われているオオカミに似た犬に憑依、リチャードは野良の三毛猫に憑依した。
『えー!これはありなのか』『お父様達、すごい!』

『キャット空中大回転―!ネコ騙し!からの、くらえい!にゃんこヒップホップアタッーク!』
(ネコ一匹の力ではダメージが少ない!この小さな体では…)
『ファレルよ、私を高く投げろ!キャット大ジャンプの~~ネコノツメサンダークロウ!!』
『リチャード、私も跳びます、跳びます!ウルフビックダイブからの~オオカミノツメアタック!』
ネコ一匹がモンスターの両目を潰し、オオカミ犬はモンスターに飛びかかる。

『ファレルよ、あれをやるか』『あれですね、やりましょう!』
ムーンプリズムパワーメイクアップ。ドラゴンチエンジ!!
オタスケレンジャードラゴンレッド、ドラゴンブルー参上!!
悪さするズーにお仕置きだべさ!!くらえ元祖クロススラッシュ!

リチャードとファレルは、装着した変身ベルトで竜騎士オタスケレンジャーに変身。 
リチャードはレッド、ファレルはブルーだ。二人は同時に高くジャンプし、何回か槍で貫く。 
三毛猫とオオカミ犬から竜騎士に変身した、ゴーストの攻撃はズーに大ダメージを与えた。
リチャード&ファレル『お前はもう、死んでいる。』チャララ~ン、ズーを倒し55の経験値!
103ギルを手に入れた。タララララララー

『助けてくれて、ありがとうポロム様』『大丈夫ですかアンジェラ』『この白魔導士、男だった‼』
『ファレルよ私達が助けたのは、お姉さんでは無く』『オネエさん…オカマさん、でしたね』

バロンに帰国したカインは、仕事を早めに終わらせ帰宅。
(いろいろ有りすぎて疲れた、しんどいから早く休もう…)
ベットに入り横になるも、昼に見たゴーストが気になり寝つけず。
右向きに左向きに体を替えゴロゴロ。あお向けでも、うつぶせでも、コロコロ。
やっと寝ついたのは、真夜中を過ぎた頃だった。

カイン、カイン...もう朝になる、そろそろ起きるのだ。これでは寝坊助さんだぞー

『もう朝か、昨日は驚く事があって夜は眠れなかった...起きて毎日日課の鍛練をしよう。
父様の声が聞こえた気がするが、ハハハこれは気のせいだ。』
いいや、カインよ...気のせいでは無い。私はお前の側にいる、よーく見なさい。
『ハハハ、死んだ父が側にいるなんて、そんなのありえん。』
倅よ、父の言う事が聞こえなかったのかー父を探せーーー!
『ヒヒッヒイーーーー分かりました、探しますよ!』カインは震え怖くて泣きながら、
父を探しに部屋内を見ると...よく見ると。

夜明け前のカインの薄暗い部屋、亡き父リチャードが赤色の竜騎士鎧姿で、
ベットにいるカインの至近距離で立っていた。その距離は10センチぐらい。
『うぎゃぎゃやややああああーーーーまた、なぜいるんですかぁぁーーーー』大絶叫カイン。
『よいではないか、来ちゃった...だぞっと』昨日白昼に見て、今朝も見たゴーストの父。

何やってるんですか!そんな登場がありますか。
また何処かで聞いた声。『この声は...ファレルのフィリップおじ様。どうしたんですか』
もう一人のゴーストこと、王妃の父ファレル。2人のゴースト揃い踏み。
父リチャードは、怖がっている息子に構わず話を続けた。
 
『カインよ聴いてくれ、完全に音痴が治った私の唄う歌を。二人ともバックコーラスを頼む』
『わかりました、思う存分歌ってください』『まかせるですとも!ミュージックスターウォーズ』
(3人?ゴーストは3人か?)カインが怪しんでいると、何処から白い光が現れ音楽が聞こえてきた。

♪降り注ぐ雨は、美味しい水になる-♪人間界に降りた私達。光が優しく励ますよ、
「宝物」に会いなさいと。♪喜び、嬉しくて、姿を隠さずに。現れた私達がいるのだー
♪♪ありのままの~姿見せるのさ、ありのままの~お父さんだよ。
ゴーストだ~け~ど、君と一緒にいたい。

♪心配さ、君が大人でもね。だっていくつでも可愛いのだよ。
大事な「宝物」の力になりたいのだ、それを望んでるーこの私。
ありのままで~愛を伝えたい。ありのままで~ゴーストだけどね。君が大切、愛しているよ。

♪痛みも苦しみも通り抜け、高く跳ね上ーがり前を向いーて。
風に折れぬ柳のように、強くいておくれ「宝物」よ。
これでいいのだ、私が憑いている。これでいいのだ、私達が憑いている。
♪♪光と、共にあれ~歩き出そう~私の「宝物」よ。

あの敵を傷つけずに懲らしめ降参させる、その歌声は戦術武器より強いと言われた音痴な父。
その父が音痴が治り、美声で歌っている。歌い終わったゴースト達はカインに向き合うと、
『ということで息子よ、私とファレルは此処にしばらく厄介になるぞ』こう言った。
ゴーストが厄介になる??何を言うのだ?カインますます混乱。

『カイン、よろしく頼むよ』ファレルも、カインの左手を握手し笑って言う。
『カインよ、私からも2人を頼む』そして、一緒に歌っていた白い光からも声がする。
『貴様は誰だ?』光に叫ぶカイン。『息子よ何を言う!我々の大恩人のクルーヤ殿だ。』
恩人を貴様発言した息子に、リチャード睨みつける。どういうことだ?カインぶつぶつ。
『クルーヤと私達は、あの世で知り合ったんだ。私とはセオドアの祖父同士、お互い義理の親戚だね』 
ファレルが言うと光から姿を替え、3番目に現れたゴーストは、父とファレルよりも背が高い壮年の男。
そして、ガッシリな体格の男だった。戦士とも格闘家とも名乗っていいくらいの。

『何だと...この人が、あのクルーヤ殿?え、えええええーーーーー!』カイン、再び大絶叫。
『父様とおじ様は、いったい何しにきたんですか!まさか...俺を呪う気ですね?』
『はあ?するわけなかろう。私は生前にやり残した事を叶える為に、ここにきたのだ』
あの父が生前やり残した事があると、カインは考えられない。もう一人にも聞く。

『あの…おじ様もですか?』ファレルは父とは反対に、白い歯を見せ優しく笑う。
『ああ、私もそうだよ。それと妻とローザ、セシルとセオドアに会いたくてね』
『私も、おじさんも同じ父親として、2人の望みを叶えてあげたい、協力したいんだ』
自らをおじさんと呼ぶクルーヤが、父とファレルを援護する。
父とファレルにカインは一応、どんな望みがあるのか聞いてみることにした。

『うむ。私はな...これこれこうで。あーで。ペラペラ』『私はあれしたい、これしたいペラペラ』
二人のゴーストの話を聞き、カインは思った。(ファレルのおじ様のは何とかなりそうだが、
父の方は非常に難しい重要問題がある!どうしたものか...)と頭を悩ましていた。

『んじゃ、そういう事でよろしくー』クルーヤにまで頼まれ、ひょんな事から父・リチャードと、
ローザの父でセオドアの祖父・ファレルという、ゴースト2人と過ごす事になったカイン。
いつまで同居?同棲?これからどうなる?
≪後半に続く≫




trkeko at 06:07|PermalinkComments(0)捧げ物 | FF4小話

2017年06月18日

パパ&謎黒話のあとがき+捧げ物のお話紹介

お話2回続けての更新です。まずは宇宙人パパことクルーヤさん登場の「秘密の魔法~」
クルーヤさんはDS版の声が良い声なので、なんと我が創作内で歌ってもらいました!
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ディ〇ニー映画のキャラクター、ミュージカル劇の俳優・演歌歌手のように唄う月の民。
松崎クルーヤしげ〇で「愛のメモリー」彼の心震わす痺れる歌に、号泣者が続出!

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作中に少し登場した40代カイン、セシル陛下も一緒に。バロンの鎧は難しく省略でっと。
色のセンスがないのはご勘弁を(涙)40代「あてまか~ズ」こんな感じですかね。
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謎の男と黒衣の男が登場、同行者との珍道中「ナイショの~」
前半は謎さんと行動するセオドア君、ここではセオドア君ただいま成長期の食べ盛り。
自分を「おじさん」呼ばわりされ、ショックで受け入れられない謎さん。
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謎さんの髪色から食べ物だったり、呼ぶ名前がいろんな方向へと連想していきました。

黒衣の男とエジリディ、ルカとエブラーナ四人衆登場の後半。男をなんと呼ぶか?
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女子は呼びやすい名前がいいねーに反し、お館様はカッコつけたくて、
凝りに凝った名前を付け、呼びのーで困らせます。結局怒られますがねー


次回はスペシャル話を載せます! 
我が家と相互リンクさせていただいている素敵サイト、FF 4サーチをお使いの皆さんは知る、
「ミルヒシュトラーゼ」管理人かをるこ様への捧げ物のお話です。  
私が説明しなくてもご存じでしょうが、美麗なイラストに優美な小説。
訪問した人をとりこにさせる、魅力的な作り。素晴らしい、素敵過ぎ!!

我が怪しいブログとリンクしていただいて、とっても嬉しいです~!嬉し涙の大雨です。
少し前に、私のイラストを4枚贈らせていただきました。よかったら見てやって下さいませ。

捧げ物は前・後編のお話を作りました。こちらの小説「トルソーシリーズ」の
登場キャラクターをお借りしました。そして小説の紹介をさせて頂きますね。

現在シリーズは6作(R ―18作品・1話も加えて)です、シリーズには男性同性愛表現が含まれます。
主役はカインのお父さんリチャード・ハイウインド氏、ローザのお父さんファレル氏。
体の関係は無いですが、同性で愛し合う関係です。BLですな。 

この2人、公式には詳しい設定は無いキャラです。リチャードは名前だけ、ファレルは「立派~」
だけで名前は無しですが、小説はオリジナル設定で見事な話に。
くまはらBL は苦手ですが、こちらの作品は大丈夫!

この作品に魅了された私は、降ってきたネタをかをるこ様に相談。
死んだリチャードとファレルが、クルーヤさんと会ったらどうなる?ってネタを。

くまはら志願しました、よかったら、私にお話作らせて下さいと。
いいですね、おもしろそう!とかをるこ様の承諾を得て、
「トルソーシリーズ」主役二人をお借りし、キャラを私なりにアレンジして、
お話を作らせていただきました!
前・後編話の題名は、「我等、恋の三銃士」です。

かをるこ様。この度はありがとうございました~今後ともよろしくお願いします。

お話の内容は、死後の世界で再開したリチャードとファレル。息子カインの行く先が心配で
たまらないリチャード。何してるの!な面倒見の良いファレル。死後の世界で出会い、不思議な縁から
意気投合したクルーヤと仲良しに。我々がカインとポロムをくっ付けるぞ!と団結します。
元竜騎士二人はクルーヤの不思議な力で地上に降臨。カインの前に現れて…珍騒動のはじまり。

キャストは・・・・カイポロとバロン国王一家。バロンの人々、エジリディ、
ミシディアの皆さん。そして主役は三匹のおっさんならぬ、三人のゴースト。
こちらのお三方です。
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「三人あわせて、私たちはーお父ちゃんズです!」
カイン父さんこと、リチャード・ハイウインド氏。
ローザ父さんこと、フイリップ・ジョシュア・ファレル氏。
セシル父さんこと、月の民クルーヤ氏。このお三方が登場するお話です。

見にくいですが我が創作内での、お父ちゃんズの関係図でございます。
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リチャードとファレルとクルーヤ。バロン組のお父さんにて性格も異なる3人のゴーストは、
カイポロのキューピッドになれるのか!三銃士の活躍にご期待ください。
いつもよりやりたい放題、キャラ崩壊アホなネタ満載盛り込みの話です。
次回の記事にアップしますので、是非ともご覧いただけたら嬉しいです。

なんと来月には、ここの怪しいブログが開設1周年になります。それまで更新がんばるだー
今回もご覧下さり、ありがとうございました。またヨロシクです~


trkeko at 06:03|PermalinkComments(0)気まぐれ日記 

名前がナイショの男たち

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これは何処の誰だか知らないけれど、青き星のピンチに現れた謎の男と黒衣の男。
そして彼らと同行する者の話であーる。


「謎の男が仲間になった!」チャチャラーン。

僕の名前は、セオドア・ファレル=ハーヴィー・バロン。訳あって故郷バロンに向かっている。
フレイムドックに襲われて絶体絶命の所、風のように現れ助けてくれた人。

『ありがとうございます、おじさん』僕は推定年齢・父ぐらいの人に話かけ、お礼を言う。
『おい、誰がおじさんだ?』おじさんは鋭い声で、僕を睨んで言った。
この人、おじさんだけじゃ不満なのかな?こう呼んでみよう。
『じゃあ無職のおじさん』職業は何かな?商人でも踊り子でもなさそうだし、わからないな~
『誰が無職のおじさんだ…?』おじさんは更に睨む。僕は彼に『あなたです』と教えた、すると…

『私はまだ、そう呼ばれる齢では無い!この先おじさんと呼ぶな、わかったか!』と怒られた。
名は捨てたと言うし、名前を教えてくれないし、僕は何て呼べばいいの!?(プンスコ)
この人、自分が「おじさん」と認めたくないんだ。大人なら潔く認めましょうよ!(プンプン)

(ブツブツ…認めたくないものだ。己がおじさんだと?いきなりそう言うとは失礼な、いったい
どこの子供だ!親の顔が見て見たい。会ったら引っ叩いてやる!ブツブツ…ブツブツ…)

何か一人言を言っている「おじさん」と呼んだ人、この人もバロンに行くという。
僕はここまでの経緯を話し、一緒にバロンに向かう事となった。
『先を急ぐのだろ?ミシディアの町に行くぞ』そう言い早足で進む謎の人。
謎さんを「おじさん」以外の違う名前で呼ぼう、それなら怒らないよね。そうしょう。

ミシディアの町で―
腹ごしらえに町の定食屋に寄る、僕と謎の人。
『あの、チーズさんは納豆に入れるのはネギ派?それとも刻み海苔派ですか』
『私は辛子派だ、って今度はそう呼ぶのか…?おかしな名で呼ぶな!』
おじさん呼びは禁止されたけど、ずっと名無しなのは不便だよ。
名無しさんよりチーズさん呼びのほうがいいのになー。何故なら…
店であの人が食べてるのは、チーズインハンバーグ・大盛サラダセットだから。

祈りの館で―
ポロムさんにあの人誰?と、チーズさん(仮)の事を聞かれた僕は、
『はい。キラキラさんと一緒です』こう答える。ポロムさんは笑わない様に、グッとこらえていた。
チーズさん(仮)金髪だし、今度はキラキラさんと呼ぶなら怒らないよね。
『私がキラキラさんだと?何なんだブツブツ...行くぞ!』キラキラさんは足早に進む。
ポロムさんが付けてくれた、僕らとバロン城まで同行する黒魔さんと白魔さん。
『セオドア様、私たちも呼ぶのですか...』2人は困った顔をした。
僕はそう呼んでくださいと言う、キラキラさんと名前がある方がいいよ。うんうん。

デビルロード、セーブポイントにて―
『バロンまでもう少しだ、ここで休んでいくぞ』キラキラさんが言うと、
黒魔/白魔『そうですね、キラキラさん...』黒魔さんと白魔さんが声を絞りだす。
『は...?あんたたちまで言うか!セオドア、変な名で呼ぶなと言っただろ!止めろー』
『じゃあ、一文字変えてキキララさんで。それならいいですよね』
『まったく、何なんだ...親はどんな教育をしているのだ...ブツブツ』

バロンの町で―
『城の門番に追い返されたから、中に入れないな』『たくあんさん、どうしますか?』
『昔の水路から入ろう、鍵を管理している者の所へ...ってそう呼ぶか!』

昔の水路内で―
『たまごさんは、カップラーメンの味は塩味派?しょうゆ派ですか?僕はしょうゆ派です』
『私はシーフード味派だ...ブツブツ』
黒魔/白魔『このやり取り、いつまでなんだろ...』

バロン城に入る前ー
黒魔/白魔『私達はこれで』短い間でしたが助かりました、ありがとうございました。
『レモン酢さんがお2人と別れるの、寂しいそうです』僕は黒魔さんと白魔さんに言う。
『それは私の事か!ブツブツ…』黒魔/白魔『では、さようなら…』

城に入った僕とレモン酢さん。僕は父さんと母さんと、祖父代りのシドを探しに。
どこにいるのか、いないな...レモン酢さんは何かあったか、項垂れてブツブツ一人言。
そして追われる身となった僕らは向かう、ミストの洞窟へ。
そこでもレモン酢さんは、バッタバッタとモンスターを倒す。強いな、強いよキンタロウさん!
『今度はキンタロウか...ブツブツ』バンド技クロスフラッシュでアングランダを倒したよ。

ミストの村~断崖-
ずいぶん高いなーキンタロウさんはというと、断崖絶壁を楽々と崖につかまり登っていく。
ピョーンピョーン、カエルさん。ピヨーンピヨーン、ウサギさん。
僕はそれを見て、小さい頃に歌った歌を思いだした。で考え事して落ちてしまった。
落ちながら思った、今度はピョンピョンさんと呼ぼう。『セオドア大丈夫か?』

断崖からカイポへー
カイポの宿屋に泊る僕とピョンピョンさん。夜遅くにゾンビ兵が、僕らの寝込みを襲ってきた!
2人でゾンビ達を倒す。念のためにアイテムを揃えておいてよかった~さあ寝ようっと。
『危なかったですね、ピョンすけさん』『おい(怒)』

ダムシアンに向かう地下水脈-
『武器が通用しない敵には無理せず、危なくなったら逃げるぞ』
『わかりました、コロッケカレーさん』『私がコロッケカレーって…腹が減ったか?』
続・地下水脈ー
宝箱から強力なアイテム、武器、防具を一つも取り残さずゲット。
滝の奥にはモンスターオクトクラーケンが、僕らの行く手を邪魔する。
『あの足、ゲソ焼きにしたら何人分になりますかね。カールさん』
『千人分だろ、今度はカールさんか』あーゲソ焼きと言ったら、お腹が空いたよ!
オクトでなくイカモンスターを倒した。

ダムシアン城でシドと再会、ギルバードさんにここまでの経緯を話し、
母さんがさらわれたと事情を聞き、皆で飛空挺に乗って向かうはバロン城。

母さん待ってて下さい、そっちに今向かってますよ!
こっちには強いニャムニャム……さんが一緒だから。
『セオドア、それは誰の事じゃ?』『そのニャム…さんって、あの人?』
シドとギルバードさんが飛空艇の端にいる、ビューティ-カーリーさんの方を向く。
ビューティーカーリーさんは2人の凍てつく視線を感じ、顔が真っ赤になる。
『みんなで私を見るなーーー』そして、バロン城に入っていく僕たち。その先には……


「黒衣の男が仲間になった!」チャチャラーーン。

ラリホ~私、ドワーフの王女ルカだよ。突如と現れた浅黒い肌の半裸のタイタン…じゃない、
黒いマントに履くはパンツ?スカート?な裸足の男。ねえ、その服は寒くない?
その彼と私達(私、リディア、エッジさん)は一緒に行動することになったの。
まずバロン城へ行ってみると、城は封印されて中に入れない。
これを解く方法を探しに、飛空艇で世界中をめぐることに。

ミストではー
バロン城の扉を解く方法は、召喚獣の力が必要と解った私達。
半裸の男を見た村人達、「新手の魔物だー!」と大騒ぎ。
リディアが『違うわ!この人は私達の味方よ』と皆に言って騒ぎは沈静化。
信頼するリディアの話に安心したのね、エッジさん『さすが俺のリディア』とほくそ笑み。

3人で話し合った。目立つ対格の半裸さんは、この先呼び名がないと怪しまれると。
私とリディアは、かつて半裸さんが呼ばれた名をアレンジして、「ゴウさん」と呼ぶ事にした。
エッジさんはダメだ、あいつには可愛い過ぎる。それならば色黒いから「ゴキブ…」と
言いかけたところで、リディアを怒らせケンカに。それを見てエブラーナ忍者四人衆達が、
『お館様に太刀打ちできるのは、リディア殿と家老様だけだ』『あんなお館様は初めて見た』
と驚いていた。いつもの事だから私は気にしない~次は何処に行こうかな。

カイポでー
ファブールのヤンさんとアーシュラが民家に運ばれたと聞き、私達はその家に向かう。
ヤンさんを慕うシルフがたくさんいる中、民家のベットに臥床する親子を見つけた。
話しかけても起きないから、何か方法を探しにファブールに向かう。
ここでもゴウさんは怖がられたけど、エッジさんの言った「宇宙からの助っ人マッスルマン」
に皆、安心したのよ…あれでねぇ。はははは……(失笑)

ファブールでー
ヤンさんの奥さんシーラさんから、親子を起こす「愛のフライパン」「愛の玉じゃくし」
をゲット。これもとゴウさんに「腹巻き」を渡された、その服だと冷えるよ!と。
あんた名前は?と聞かれたから、エッジさん「流浪の剣豪メガクロベエ」と言った。
そうかい、身体に気をつけなとシーラさん怪しまず。まあ、いいかな…

ダムシアンでー
カイポで起こしたヤンさんとアーシュラを加え、シルフを取り戻し向かうはダムシアン城。
城内ではアントリオンが出現。私達の進む行く先を妨害する。戦わなければ反撃しないと聞いたけど、
ゴウさんを見たアントリオンは何もせず、そそくさと私達を避ける。なんで??
エッジさん「モンスターハンターキングコング」がついているから、怖くて逃げたんだと言う。
しばらく後に解ったのが、ゴウさんの「いあつ」によるものだった。
ここでギルバードさんの秘書ハルさんが加わった。ハルさんから半裸のゴウさんにアイテムを
冷えますよと渡された。「ポカポカシャツ」をゲットした。皆、気になるのね…

ここからはダイジェストで送るね。トロイアの「磁力の洞窟」奥のクリスタルルームで、
以前から気になるパロムと、なんで一緒に女がいるの!その子どこの誰なのよ!
シヴァを取り戻し、パロムと一緒にいた女の子レオノーラを加えた。
ミシディアでは、ラムウを取り戻しポロムを加えた。トロイアとミシディアの人は、
他と同じ半裸ゴウさんに驚いた。けどエッジさんの「精霊大王ドラゴリラ」の言葉で…問題無し。

エブラーナ城、エブラーナの洞窟でー
ゴウさんエブラーナの人達に、そこの方…たいそうな剣の腕前があるとお見受け致す。
お名前を教えていただきたい!自国民の質問に王様エッジさん、何か考えて言った。
『あんたを今から、こう呼ぶゴニャニャ………と。カッコいいだろう?どうだ!』
悪戯エッジさん、両目に皺を作りニヤニヤ。『俺ってセンスあるな!感謝しろよ。俺のお・か・げ』
エッジさんの言うゴウさんの呼び名が、………は?何それ??ダサいわ。
『いいかリディアとルカ、お前ら四人も、こいつを俺が呼ぶ同じ名で言えよー』
ドヤ顔の王様は何してるの?四人衆は眉間に深い皺寄せをして、何も言わず黙っている。

呆れた顔のリディアは『こんな状況でゴウさんをそう呼ぶの、エッジだけ。私達はゴウさん呼びがいい』四人衆もリディアに共感して頷く。リディアよくぞ言ってくれたわ!私も呼ぶの嫌。
ゲッコウさん達も『お館様、我々もゴウさん殿が呼びやすいです』反対派に。
おもしろくなさそうに頬を膨らませたエッジさん『うるせえ、黙って同じ事を呼べーーー』
そこに『爺やさんに、嫌がる事を強制する王様で困りますと言うよ』とリディアは言った。
『ちよっ、ちよっ待てよ』お館様動揺。爺やさんの名前は絶大な効果ね!
そしてエッジさん、おかしな名を言わなくなった。爺やさんに絞られたね。

世界を回り仲間達を集め、バロン城内に潜入した私とリディア、エッジさんとゴウさん。
『あっ、お前は…!』ある一人の男はゴウさんに驚いて『お前が何故ここにいる?セシル大丈夫か?』
ゴウさんは頭に白いターバンを巻いた男に話す。王の間で無言で対峙する、
謎の怪しい二人の男たち。両者睨み合い一歩も引かず。あなた達、こんな状況で何してるの…

『お前…ずいぶんと可笑しな名で呼ばれていたのだな』黒衣の男が謎の男に言うと、
『貴様の方こそ、呼ばれた名が変わってばかりだったのだろう?』謎の男も言い返す。
『クックックックッ……子供にあだ名を付けられたとは滑稽だ』
『何を笑う。そう言う貴様も変わらんぞ!女とバカ忍者に仮の名とはいえ付けられて』
『やはり、そっちが変だ!謎の戦士ゴールデンキンチャンだと?ハハハハ』
『ふん、お前の方だ!何が宇宙からの救世主デッカイドウ=ゴウヒロミだ』
そっちだ、おまえだ、やるかコラ、あーなにい?やんややんや、ギャンギャン…

いつ終わるとも知れない、いい年した男たちの口喧嘩。それはセシルさんが復活するまで続く…

セオドア:おふたりとも楽しそうですね!
エッジ:おいおい、あれのどこが楽しそうだーー!!
リディア:エッジも人の事は言えないでしょう。
ルカ:男って、幾つになっても子供よね~

お話これでおしまい。チャンチャン♪♪






 

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2017年06月01日

クルーヤの秘密の魔法

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ふふふ。いつも頑張っている君に、私のとっておきの"夢の魔法"を見せよう。
では竜騎士カインの所に、クルーヤがぁ~~~
くる-ーーーーーーーー!!いい夢見るのだぞ。おやすみ坊や……


ある晴れた日の午後。ここバロン城では一人の男がぼんやりした顔で、
部屋の開けた窓から景色を見てぼやいていた。

『こんな日に仕事なんてやってられん。あー今日は仕事じゃなかったらな、
仕事じゃなかったら…そうだ外に行こう!森林公園がいい。雲一つない青い空、
新緑と鳥のさえずりと川のせせらぎ、癒しの空間だ。バスケットに本と冷えたワイン。
好きな食べ物にオツヤはフルーツサンドイッチと。とっておきの紅茶に、
ハンモックも忘れずにだ。そして誰にも邪魔されない、自分だけの静かな時間。
読みかけの小説を見て、食べて飲んで眠くなったら寝ると。それいいな…いいぞ…
ふふふふ。っておい、現実逃避するの何十回目だ!どうした俺!』

部屋で一人ぼやいていた男は、赤き翼の部隊長カイン。
オツヤはオヤツの事で、そうバロンの名門貴族は子供の頃から呼ぶ。…呼ぶのは彼だけ。

彼が現実逃避したい理由。兵士の訓練に事務仕事に、世界の復興支援やら、
いろいろとエトセトラーーー忙しい毎日を送っている。
今春バロンに咲いた桜は、ゆっくり見ぬ間に風に散り緑葉に。毎年恒例・花見の宴もできなかった。なので合間に違う事を考えたりして、気を紛らわせている。

『おい、カインいるか?僕だよ。入るぞ』入ってきたのは国王セシル。

もともと国王は色白の美男だが、近くで見ると顔色が悪い。こちらもお疲れの様子。
『国王直々に何の用だ?誰にも頼めない事だろ…』カインは睨みながら言う。
『流石、そのとおーり。困った事態が起きているのさ』青白い顔で答えるセシル。

幼い頃から付き合いの長い国王や王妃頼んでくる用件は、いつも嫌な予感がする。

今年の新年会に、4月の「新人さん、いらっしゃーい会」と称した城の宴会で、セシルとカイン2人の聖騎士コンビ「あてまか~ず」による、歌と踊りありのコントをやった。城内は大盛り上がりで拍手の嵐。

3月のおつかれさん会では、特別ゲストにエブラーナ国王エッジも参加。エッジと「あてまか~ず」と一緒に、3人トリオ「エ・カ・セ」の即興漫才を披露して、人々からは大喝采の大好評。

カインはあんな事こんな事を頼まれ、何故自分だ?と溜め息ばかり。セシル・ローザ夫妻と、息子セオドア、親代わりのシドの頼みは断れない。自分を家族同然に慕い慈しむ、故郷バロンの大切な人たちに。
つい聞いて引き受ける所は、自分は人が良いなと思うが、過去への罪滅ぼしもある。
セシルよ、今度は何を頼むのか?早く話せと椅子に座り待ち構えていると、
『お前さ、前に僕とローザが話していた事…どう考えている?』真剣顔のセシルが問う。

ある日のセシル達との昼食後//////

『最近、しつこく大臣達に聞かれるんだ。カイン殿はいつまで独り身でいる?結婚しないのか?もしや女嫌いで同性が好みなのか?訳ありでも娘との見合いを申込みたいとさ。苦いから1個入れようっと』
『人を言いたい放題して、また見合いの話か…だが断る。セシル俺にも入れろ苦いばかりだ』

『ねえ...あなた達、コーヒーに砂糖をどれだけ入れるの?どんだけ!!』ローザが夫とカインのやり取りに驚く。二人の男は甘~い角砂糖を、10個以上も入れていたのだから。
『もう砂糖湯です…』見ていたセオドアも口を空け茫然。『えっ、この飲み物は何処がいいのかい?』『フッ、この俺のグルメで繊細な舌に合わんな』ローザは中年男達の発言に、無表情で怒りの炎を出した。そんな母にいち早く気がついたセオドアが、青ざめガタガタ震える。

『父さんとカインさん、そんな事言わないで下さい!ヒィ~母さんが怒った!』セシル・カイン『!』
『何て言ったの…?コーヒー飲みたいって言うから、ダムシアンから取り寄せたのよ…そんな事を言うなら、あなた達に飲ませるコーヒーは無い!!』ローザは強く拳を握りしめ、げんこつをゴツン!ゴツン!中年男達はたんこぶを作り倒れた。
ローザ様の機嫌がなおるまで、しばらくお待ちください…


カインが多くの見合いを断る理由は、彼の地位と名声に群がる者達から、権力闘争に利用されたくなかった。国内の混乱と争いは避けたい、自分が原因で誰かが悲しむのは見たくない、もう懲り懲りだ。
それは表向きの理由で、自分の恋愛事に怖くて躊躇している。聖竜騎士となっても、世界で二人目のパラディンと呼ばれても。この悩みを聞いた誰かは、「いい大人」が何だと苦笑するだろう。

かつて恋していたローザへの思慕が消えるのに、十数年もかかった自分。今のセシルとローザと自分は、幼馴染であり大切な友であり、「独身の兄を心配する弟・妹夫婦」のような関係にもなっていた。

若い頃セシルを愛するローザを忘れようとして、好きでもない女と関係を持っても、心の隙間は埋らず。一層深く暗い穴が続くばかりだった。この先、自分が誰かを愛する事が出来るのか?自分という男を愛する女性は表れるのか?考えられない。出した結論は、もう俺は誰も愛さない方がいいのだと。

でも…あの少女ポロムは、16も年下の娘はいつも会うたびに、見ていて愉快で可愛くて飽きない。ミシディアに行くのが密かな楽しみにしている。ポロムには失礼だが会って話をすると、ついからかってしまう。彼女の反応が可笑しくて、こらえきれず大声で笑っていた。陽の様に温かく優しいポロムが気になって。

『あーそうだわ!昨日エブラーナに行って、エッジとリディアから良いこと聞いたのよ~ふふふ知りたい?』ローザの話が気になり、耳を傾けるダブル中年男と一人の少年。

エブラーナ国王夫妻によると、ミシディアの黒魔導士・パロムが言うには、双子の姉ポロムは恋をしている。相手はバロンの聖竜騎士カイン、彼がミシディアに来る日はそわそわして落ち着き無く、お洒落に着飾り綺麗に化粧をしている。カインを見る顔が違う!何度もあったから間違いない!あのおっさんの何処がいいか謎だ!と。エッジとリディアは、『やっぱりポロムの好きな男は、カインだったか~可愛い子に好かれるなんてラッキーね』と話し、ローザと盛り上がった。3人はパロムの話に確信したという。

『本当?いや~カインよかったな』『僕も父さんと同じ意見です、ポロムさんは素敵なお姉さんです!』セシル・セオドア親子は喜びし、話を持ち出したローザは『そうでしょう?私が男性なら即お付き合いするわね、カインに春が来てくれて嬉しいわ。相手がポロムで大歓迎よ~』涙ぐみながら言う。『ちょ、ちよっと待て、相手は16も下だ。そんな事は有り得んな…これはドッキリか?お前達は俺を騙してるのだろう?きっとそうだ!』カインはローザから聞いた話が信じられなかった。
そんな彼に一家は怒る『は...?ドッキリじゃないよ!!』『言っていい事と悪い事があります!』
『ちよっと何言うの!カインは老後の世話をセオドアにさせたいの?自分の人生よく考えなさい!!』一家の迫力に黙るカインは、床に正座して足の痺れと説教に絶えていた…

その事が事実ならポロムに話さねば。『未来ある若い女性が、俺を好きになってはいけない。君に俺は相応しくない男だ』ポロムに話すのは辛い、笑顔が似合う彼女の悲しむ顔を見ながら。

そう思い、今に至る////

『困った事態はな。見合い話にお前の返事が無いから、待てないと痺れを切らした大臣達は、仕事を放棄してしまったんだ。登城しません、職務拒否します!とさ。参ったね』セシルは溜め息をする。
『それは本当か?』カインは驚く。『ああ。でも彼らの対応は僕にまかせてくれ、ふふふ、ふふふ…』お怒りの陛下、暗黒オーラを出しながらもニコニコ笑顔。カインも機嫌が悪いと黒色オーラを出すから、聖騎士同士お会いこ。
『セシル、すまん』『お前は悪くない。僕は…僕とローザはお前には、心から好きになった女性と結ばれて欲しいと願っている。うう...だからポロムを気にかけてあげてくれないか?頼む。あの子はいい子だよ』涙と鼻水を流す泣き顔セシルから言われ、どうしたものか悩むカインだった。

セシルが部屋から去った後、一人になるなり疲れが襲う。椅子から立ち上がると体全体が重苦しく、めまいがして足元がふらつく。ソファーで休もうと歩くも、床に崩れ落ち気を失った。


『…聞こえてますか?気分はどうですか?』聞いた事のある声に反応して目を開けると、見えたは自分専用の執務室。カインはソファーに寝かされていた。
『ここは何処だ?』側に座るす人の姿を見つけ声をかける。すると『まあ、気がつきましたか?』女性の声だった。自分はこの女とどういう関係だ?恐る恐る聞いた。『お前は誰だ?モンスターが人に化けたのか』側にいる白いブラウスに、青みがかかったピンクのスカート姿の女性は笑って、『ふふふ、私はあなたの妻です。化けてませんから!もう可笑しいわ』左手の薬指にはめた指輪を見せる。

俺の妻だと?いつ結婚したのだ?夢とはいえ信じがたい。『あなたも見て下さい』女性がカインの左手を上げると、自分の薬指にも指輪がある。『これでわかりました?』女性の白い手は温かく軟らかで、ほっそりした指先は赤く塗られている。唇は桃色のルージュが艶やかに塗られ、後ろ姿だが茶色の髪を結い上げた、うなじに見とれた。顔は見えないが妻だと名乗る女が、益々気になる。
『俺はいつ結婚したのか?』カインは女性に聞くと、『忘れたんですか?もう10年以上前ですよ』何だとーー??では、ここの俺は40代半ば辺りか。ここは夢か現実か?気になるからまた聞く。『10年以上とは…もしかすると君との子供がいるのか?』女性は笑って『いますよ、このくらい』
手で人数を表した。カインは『そうなのか?ハハハ…これは賑やかだ』苦笑いし、顔の見えない女性を見る。細身ながら女性らしい曲線、スカートから覗いた白い靴を履く足は美しい。

先程のうなじといい、カインはゴクリと唾を飲み込む。この女の顔を見たい、どんな女が自分を好きになり結婚したのか?女性に『君は俺の何処がよかったのか』と聞いた。

コホン、と咳払いした女性はゆっくり話す。『ふふふ、あなたの事は昔から知っていました。無愛想であまり話さず、甲冑姿の怖いおじさんと思っていました。何を考えているか解らない、不思議な人だったけど。森で動物と話している姿は、とても綺麗で物語のプリンセスみたいでした。それから優しい方とわかって、沢山お話をしました。楽しくてお兄さんみたいで、とっても嬉しかった。いつしかあなたへの好きという気持ちが、お兄さんとしてではなく、違うものに変わり…もやもやして落ち着かなくて、時間がかかったけど。いろいろ考えて解りました、私はあなたに異性として、一人の男性に恋をしたと。』

『俺を昔から知っているだと?誰なんだ』『まあ、私を忘れたの?よく話の続きを聞いて下さいな』
話の推測からすると、彼女は年下の女性であろう。話の続きを待つ。おじさんと呼ばれガックリだ…

『あなたを好きと解ってから身内に、あの男の何処がいいのか?根暗で陰険っぽいから止めた方がいい、と言われ頭にきて口喧嘩をよくしました。でね私、そんな事は無い。素敵で優しい良い人だ!って言い続けていたら、身内も折れて密かに応援してくれました。珍しく結婚式の時に号泣したんですよ』
自分が根暗で陰険とは、そんな風に捉えられてるなんてショックである。カインがそう言われたのは今に限った訳でないが。自分が女性から「優しい良い人」なんて言われたら、実はとても嬉しい。
『あなたが気になって、頑張って話しかけたんですよ。接してみると実は無器用で繊細な人。あと寂しがり屋だなってわかったんです。でもね話しても言葉は短くて、そっけなくて、何かとからかわれてばかり。諦めた方がいいかなと思ったとき、不思議な夢を見ました。夢の中で白い光が私を励ましてくれたんです、君の真っ直ぐで一途な思いは、ちゃんと好きな相手に伝わっている。向こうは嬉しくて恥ずかしいのだよ。大丈夫、自分の気持ちに自信を持ちなさいと。それから諦めずにいたら……突然あなたから好きだと告白され、お付きあいして結婚しました。そうなって私とっても嬉しかった…愛する人と結ばれて、お嫁さんになって、大好きな人の側にいられて幸せです』話終わり、恥ずかしそうに頬を赤くする女性。

この自分が女性に告白して、付き合い結婚した。いや、夢を見ているからだ。不思議な夢の中で。

『カインさん、解りましたか?私、あなたをお慕いしています、昔も今も。それは覚えていて欲しいですわ。あなたを愛してます』正面に、ずっと見たかった女性の顔が見えた。
その女性は、カインのよく知る……の顔をしていた。気になる「彼女」の顔で。
『私を忘れないで下さいね』女性はそう言い、カインの額に口づけし優しく微笑んだ。

『君は、君って、あの、その……だったのか!』カインは驚きソファーから起き上がったが、
また急に強い眠気が押し寄せ、両のまぶたを閉じた。



カイン、カインよ…見た夢はどうだったかな?そなたの見たのは、未来の自分だ。
兄弟と同様、白魔法と黒魔法両方使う私の、とっておきの「時の魔法」だよ。
私の息子達を助けてくれて、私の愛する青き星を守ってくれてありがとう。
お礼も兼ねて、私はそなたがどうしているか気がかりなのと話したい事があり、こうして現れたのだ。

(は?俺が気がかりだと?何者だ、姿を見せろ)謎の声で気がつき、目を覚ましたカインは叫ぶ。
ふふふ、じゃあ~ミュージックショースタート!いくぜ、カモーン!!
目を開ければ、そこにいるは真っ白な空間。上から一筋の白い光がカインを照らす。
『ここはどこだ!おまえはなんだ!』カインは光に向かい怒鳴ると、なにか聞こえる。
『そなたに捧げよう、私からの人生賛歌を聞いてくれ。♪♪ルルリラ~ルルルン~♪』
男の低い艶のある、ミュージカル俳優や歌手に負けず劣らずな美声で、光から歌が聞こえた。

『♪この僕は恋愛に臆病な男なのさ~それでも僕には~愛しい人がいーるのさ、ラララー♪恋をした竜騎士は~風のようにフワフワしてるーきっと恋しい人に~会いたいのだろうーそうだね!僕の一番恋しい人よ~君が好きと伝えたい~そして君を離したくない強く抱きしめた~い♪』どこの唄の歌詞か?光が考えたのか?歌詞の内容は自分の事か?と混乱する。しかし、いい歌声だと聞き惚れていた。

『うああぁ~なんで光が歌っているんだ!?』カイン、口をポカーン。
『やぁ、始めましてでもないね。この声で私が誰かは覚えているかな?』光はカインに尋ねてきた。誰だ誰だで眉間に縦じわを寄せ、ますます混乱。よく耳を澄ませば、聞いた事のあるような...記憶をたどっていくと、ある人物が浮かんだ。その人物は……
『えっ…もしかすると、あ、あなたはあのクルーヤ殿なのですか?』カインが光に問うと、優しく答えた。『ふふ、そのとおーり!そうだよ。私は月の民クルーヤ、試練の山で我が息子セシルと、そなたに聖なる力を授けた者だ。そなたの事はいろいろ知っているぞ、私の姿を見せよう』光はカインの正面に近寄ると、人の姿になった。目の前に現れたのは予想を超えた.....自分よりも高い背の男だ。

『あの、あの、クルーヤ殿ですよね?』息子のゴルベーザに似た、筋肉隆々な背の高い男。
年齢は40代半から50代あたり、白いロープ姿の短髪で顎髭を伸ばした月の民。親友セシルの父でもあるが、穏やかな優しい顔にマッチョとは!セシルもそうだがゴルベーザといい、少年ながら力持ちなセオドアといい、月の民の血恐るべしである。カインは震えビクビクするのだった。

『おやおや、そんなに怖がらなくていいよ。おじさんの近くにおいで』クルーヤの微笑む顔が、セシルに似ている。『は、はあ…』カインは自分の過去にした事に、クルーヤが怒って罰を与えようと現れたのだと思っていた。白か黒かの魔法で?太い腕から振り下ろされる拳でパンチか?脚蹴りか?関節技か?
あなたからの罰を、俺は喜んで受けようと強く目をつぶると…そんな事はすること無く、
『君は恋をしているねー自分ではそれを認めたくないのだろ?』クルーヤはいたずらっぽく聞いてくる。

『違います!俺は恋なんてしていません。あなたの戯れ言です』カインが否定すると、クルーヤは優しい顔から一転。怖いモンスターの様な形相になった。腕組みをしたとたん空と地はゴゴゴと響き、大きく揺れ、立っているカインも揺れる。『そなた、私になんと言ったのだ?私は本当の事を言ったのだぞ!』
クルーヤは、長男の「いあつ」を出して怒る。『ひぃ~すみません…本当です』怖いが謝るカインだった。

『ああ、嫌だ嫌だ。おじさんガッカリだよ、それでも男の子か?この軟弱者!いつまで過去を引きずるのだ?ズルズル君と呼ぶぞ。あっそうそう。息子の嫁の父君から、自分の昔を思い出しますー君の恋をおじさん応援しているよとな。』息子セシルの嫁=ローザ、父君=亡き竜騎士で妻はミシディアの白魔道士だ。妻は存命してバロンの城下町で暮らしている、捕まると話が長くなるセオドアの祖母である。あの世でローザの父親と知り合うとは死後の世界もわからんと思う。

『俺をズルズル君なんて言わないで下さい。誰も好きにならない、そう決めたのです』
『まあまあ、そなたのご両親からも伝言を預かってきたぞ。聞きなさい』早くに死んだ自分の両親もだと!クルーヤはローザの父親だけでなく、父と母とも知り合うとは...恐ろしくてゾクゾク震える。『母君は...カインはやればできる子!諦めないでとな。父君は...この馬鹿者め。好きなら嘘をつくな!!男なら根性で告白だと。そなたは死んだ両親にも愛されているじゃないか。愛する資格がないだと?そんな事は口にして言っちゃあ、よくないぞ』クルーヤが口を尖らせる。

『そなたが恋をするのはダメだと、どこの誰が言ったのだ?頑なな気持ちの、そなたの思い込みではないのか?そう考えるのは終わりにしなさい。そなたは娘に愛されて良いのだよ。人生には悪い事も良き事も全て無駄では無いぞ!人は誰しも過ちはある…その事にこだわり続ければ幸せになれぬのだよ。私も青き星に来た若かりし頃はな…いろいろ人に裏切られ、人が信じられなくて荒れた生活をし、人を避けて過ごしていた。そんな生き方を変えたのが...ある女性との出会いだったのだよ。あのときの彼女は可愛かったねえーふふふ』クルーヤが照れた様に言うと、カインは彼にしては珍しくピーンときた。きっと、その女性は大切な人。
『セシルとゴルベーザの母親ですね』そう言ったカインに、クルーヤは『そうだよ』と答えた。

『セシリアと出会って、お互いに愛して。一人だった私は孤独から抜け出し暗い世界から、明るい世界へと入ったのだ。そして家族が出来て、私が死ぬまで幸せだったね。カインよ、今までの過去は変えられないが、これからの未来は変えられるのだ。後ろを振り返るな!前ばかり見るな!しっかり両の眼で今を見なさい。数奇な運命を経て試練を乗り越えた、今のそなたなら大丈夫だ。自分に誇りと自信を持ち、そなたを慕う心優しい白魔導士の娘の気持ちを受け入れるのだ。そなたは娘を愛する事ができるよ。一緒に幸せになるのだぞ、さあて、歌のクライマックスといこうか!!』
クルーヤは両腕を大きく振りながら自作自演の歌を歌う。
『♪あの日あの時、あの場所で二人は出逢わなかったらー♪いつまでも寂しがり屋の竜は一人ぼっちだったのさ~♪♪乙女は竜に愛を捧げ~♪竜も乙女に心開きー愛して愛されたのさ~カイン、そなたの事だ!♪♪君は一人ではない~友や仲間がいるだろう♪闇を切り抜けー茨の道をくぐり抜けー君は試練に打ち勝ったヒーローだ!君は今、光ある世界に立っている~愛する人の手を離さず掴み~人生を共に歩むのさ~君に幸とー栄光あれ~♪カインよ、さらばだ!!』

長男同様「いあつ」と背丈があり、次男と同じく優しい顔にガッシリ体型の、クルーヤの姿が消え周りが暗くなり、再びカインは意識を失った。また眠りに付く….

気が付いて、ゆっくり目を開けると空は薄暗くなり、夜も近い時刻になっていた。
頭の下には心地好い感触、床に倒れたはずなのに、いつの間にこんな極上の枕で寝ていたのだろう。この上質な枕は城の備品か?これは自分が買い取るかと触ると…温かくて柔らかい。『これは人間の体か?誰だ?』体を起こして振り向くと『あれ?何故、君がここにいるん...』
自分が枕だと思っていたのは、枕でなくて『え、えええ!俺は、俺は何て事をしたのだー』カイン大声で絶叫。ソファ-に座り、うたた寝をするポロム。寝ていたのは彼女の膝枕でだった。
『ん、んーあれ?私ったらいつの間に寝ていたのね』その絶叫の声で目が覚めたポロム。
『ポロム、君がなんでここにいるんだ?』大慌てで動揺のカイン。『今日はバロンとミシディアの交流会の打ち合わせで、会う約束をしてたんですよ。もしかすると忘れてました?』ポロムはムッとして言う。そう言われてカインは壁のカレンダーを見ると、今日の日付に大きく赤丸があった。『すまんな、そうだった』思い出すと数日前、セシルとローザから交流会をしたいから幹事を頼まれた(問答無用で押し付け)が、どうすればいいか困っていたらポロムに声をかけられた。『私もパロムの代わりに幹事をやる事になりました、よろしくお願いしますね』と。 忙しく急いでいたのもあり、心強い味方に『この日にバロンに来て欲しい』そう約束して赤丸までしたのだ。言われるまで忘れていたが。


『いいです。カインさんが無事でよかった…倒れていたから何かあったのかと心配しました。レビテトの魔法でソファーに横にさせましたが…顔色を見ようと近くに寄ると急に腕を引っ張られて、あの…膝枕に。困っていたら、そのまま私も眠ってしまいました。何にも無くてよかった…』ポロムの両目から涙がこぼれた。
自分を心配して、自分の為に流したポロムの涙。
お節介にわざわざ現れて、いろいろクルーヤの言った様に、怖がりだった自分はこれっきり。
少しずつ前向きに歩んで行こう。カインはクルーヤに励ましと勇気をもらった気がした。

『さて、もう夜になるな。よかったら夕食を一緒にどうだろう?膝枕の詫びもしないとな。今の話は君が嫌でなければだが』カインはポロムの顔を反らさず、ポロムの目を見ながら話した。
『まあ、そんな…嬉しいです。いいですよ、喜んでご一緒します』ポロムが自分を見つめながら、穏やかに微笑むと、つられて微笑むカインがいた。『ありがとう...ポロム』

それから、それから、この2人がどうなったかというと。
バロンとミシディアで、頻繁に相手の元を訪ねる、カインとポロムの姿を見かけるようになった。

バロン国王一家とミンウ長老は大歓迎、カインは見合いを強制されなくなって安心。
若き次の長・ポロムの双子の弟パロムは、皮肉を言いつつも二人の仲を応援する。
カインはミシディアの人々から、「ポロムの旦那様、ナイト様」と呼ばれていた。

また毎年には。暖かくなった春の桜咲く頃、緑豊かな初夏、梅雨の紫陽花が見事な時期。
暑い夏の涼し風吹く海岸、秋の美しい紅葉、冬の白い雪景色。
その場所には...手を繋ぎ道を歩きながら話をする、仲の良い2人も多く目撃された。

バロン城のカインの殺風景な執務室に、置かれるようになったのは。

子供の字で「とうさま、だいだいだいすきだよ」「とうさまみたいなつよいりゅうきしになる」
と書かれた手紙、絵や工作物が立派な額に入れられ、いくつも壁に飾られた。
暖色の小物と、机に異国で作られた花瓶。そこに四季の花が置かれた場所で、
鮮やかに咲いていた。それらをカインが大切な女性を思い、優しい顔で見つめていたという。
               

                
 


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